反論し始めたアシスタント (Online Meeting WK 10 終回)

今週私はアシスタントコーチ Tにもしかしたら初めてはっきりと反論されました。皆さんのサポートスタッフは、あなたに反論しますか?疑問を面と向かって投げかけられますか? 逆に、あなたがサポートスタッフとして、監督の意見に反論できますか?

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今回は、コロナ感染症による活動休止期間中の私たちU14チームのオンラインでの取り組みの最終回として、私とアシスタントコーチTのコミュニケーションを紹介します。

皆さんのチームや組織にも様々なスタッフ間の関係性があるはずです。一つのケーススタディとして参考にしていただけると幸いです。

 

意見が言える状況↔️言わない状況

私が思う『上の立場の人に同意ではない意見を言える、言わない状況』をまとめてみました。

①関係性に安心感がある↔️相手の気分を害するかもしれない。怒られるかもしれない

②何かを変えたい、よくしたいと言う気持ちを持っている↔️自分には関係ないと思っている

③意見が聞かれる、反映される↔️いうだけ無駄だと思っている

他にも多くあるかもしれないですが、この3点に関していうと果たしてアシスタント側の責任はどこまであるんでしょうか?環境を作ることをしやすいマネージメント側、つまり上の立場にある人に責任があるのではないでしょうか。

 

タイ🇹🇭は一般的に年功序列

さて、タイでは年長者を敬う社会常識があります。年上はピーという敬称でよばれ、年下はノンと呼ばれ敬語も使われません。

基本的に話し合いなどでも年長者の判断に委ねられ、年少者は口を挟みません。会議などでは一方通行になることも多く、年下や立場的に下の場合聞き役になります。

 

アシスタントコーチTの考えを引き出すのは難しい

ここで、私たちのU14チームのアシスタントTコーチを紹介します。

Tコーチ👨 26歳

選手経験は無い

インターンシップを経て正式採用され現在4年目

AFC C級ライセンス

 

性格は明るく冗談大好きですが、それでも彼自身の意見を引き出すのはとても苦労します。練習のアイデアを聞いても、なかなか返答がなかったり、練習後の感想を聞いても、「良かった」ばかりだったりします。

どうやら、自分の意見をいって私の機嫌を損ねたくない、もしくは間違ったことをいいたくないという心配をしているようなのです。きっと安心して意見を言える環境とはまだ感じていなかったのでしょう。

信頼して任せると責任感と自主性が増した

そんなTですが、このコロナによる活動休止期間の取り組みでは、多くのことを任せることができました。過去の記事で紹介した逆足チャレンジ(記事はこちら)や第1回の映像分析(記事はこちら)は完全に彼のアイデアをそのまま取り入れました。

任せてみるとTの言動に変化が出ていることに気がつきました。

責任感と自主性が増しています。そんな例を以下に記しますね。

✅ルール作りやオーガナイズのために自分の使う「言葉」を整理している

✅選手を積極的にサポートする

✅補足が必要な場合の対応が早く、私には事後報告になる

私の主な役割は事後報告にうなずき、Tの積極性を認めることになってきました。その上で、さらに価値を加えられること(例えばハイライト動画作りなど)を探し取り組むことになりました。

 

自信と責任感は建設的な反論を生む

そしてTは今週はっきりと私に反論しました。

その時の会話

私「今回は栄養とか睡眠、メンタリティのところをフォーカスしたいんだよな。だけど、選手たちがプレゼンって言うのも無理だろうし。パワーポイントとかのスライドは作れないだろうな。リモートだと、映像とか操作しながら発表は無理だよな。参加人数も多すぎて、緊張するよな。」

T👨「どうしてそれを選手たちができないって思う?やり方次第でできるよ。本人たちが調べてプレゼンするからこそ彼ら自身に情報がしみこむと思う」

私「そっか。そうだよな」

T👨「まずプレゼンのトピックを考えてやらせてみよう。発表は小グループですればいい」

私「よし、完全にそれで行こう」

 

私が、Tの中に責任感と自信を持って私に反論したのを初めて経験した瞬間です。

 

今週の課題

上のやりとりがあったあと、Tがベースを作って、私も少しアイデアを加えた課題をここでいくつか紹介します。この小さな課題に選手一人一人が取り組みます。

1️⃣栄養+サッカー

    ☑️サッカー選手はなにをいつ気をつけて食べるべき?

    ☑️プロサッカー選手の1週間の食事プログラムをリサーチ

2️⃣睡眠+サッカー

    ☑️プロの選手たちは睡眠時間と起きた後の行動をリサーチ

    ☑️もし睡眠時間が足りないとどんな状態になる? リサーチと自身の体験を発表

 

今週、選手たちの学校ではオンラインクラスもスタートしました。さらにほとんどの選手がローカルチームの練習に参加します。彼らは空いている時間を見つけ、ポジショングループに分かれて誰が何のリサーチと発表をするかを決め来週までに準備します。

 

私とアシスタントTの役割はやはり取り組みを認め、うなずき、半歩深まる質問をするだけでしょう。

そして、年上の我々に対して、自信と責任感を持って反論してくる選手を育てたいと思っています。

 

最後に

今回、新型コロナ感染症の拡大で日本国内を含め世界中で、急にサッカーができない状況が私たちにかぶさりました。普段の活動ができない、ではなにができるのか、なにをすべきなのかと考えた時に、私は自分たちの取り組みをシェアして少しでもどこかで誰かの参考になればと思い、今回シリーズとしてこちらに記しました。

 

現在、このパンデミックはアジア各地で改善状態にあるとはいえ、いまだ、世界的にみると収束には程遠い状況が続いています。まだまだウイルスとのたたかいは続いており、多くの尊い命が失われています。最後になりましたが、この感染症の犠牲になった皆様のご冥福を祈るとともにご家族、ご友人の方々へ哀悼の念を捧げます。また、自身の感染リスクを顧みず、文字通り命を削って最前線で患者を助けている医療従事者の皆様に心からお礼を言いたいと思います。

 

はやく、グランドで目を輝かせてボールを追いかける子供達が世界中で見られる日が来ますように。

(了)

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Written and edited by Takuro Hosaka

Twitter: @HosakaTakuro

soccercoaching.jp編集者

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2017年~ タイプレミアリーグクラブ True Bangkok United アカデミー

Tags: covid-19  オンラインミーティング  
By: Admin
Posted: 2020年06月03日 20:24

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