現代のプレイヤーに対しての成功するコーチングとは

最もコーチングで大変なことはなにか?とどのコーチに尋ねても、「偽9番」や「ゲーゲンプレス」などといった回答は出てこないだろう。そのかわりに、現代のプレイヤーと仕事をすること、従事すること、最大のポテンシャルを引き出すことといったことが最も大変であると回答するだろう。

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これまで以上に、戦術、トレーニング、スポーツ科学で理論武装することで、コーチングは簡単になるように思える。しかし、明らかにそれは難しくなっているように思える。わたしたちが送ったメッセージは誤って解釈されたり、または伝わっていなかったり、そしてプレイヤーと監督間の衝突は驚くべきほど多くなってきている。プロフェッショナルレベルでは、これを「プレイヤーパワー」または「ドレッシングルーム(控室)の喪失」と呼ばれているが、実際にはどのレベルのコーチも直面している問題である。今日のあまりに多くのプログラムは、選手から何かを引き出すよりも、選手から何かを奪う、伝統的で権威的なアプローチでの心理的闘争になってしまっている。

しかし、より詳細を考えると、私たちは現在の状況にそれほど驚きはない。今日の選手たちは、私たちが子供の時に経験したような世界とは全く異なる世界で育ってきている。私たちは、安全面の観点からも、彼らに日が暮れるまでストリートでサッカーをすることを期待できない。より高度な教育の代償として、若い世代にはかつてないほどのプレッシャーを課すことにもなっている。コーチはハードワークの価値をもっと知ってほしいと不満を述べるかもしれない。ウォールストリートジャーナルの評論家は、職場の動向を踏まえつつ、スポーツだけにこの傾向があるわけではないことを指摘している。「私たちが若い時は、私たちがピアノを習えば、一生懸命やりなさいという先生がいて、一生懸命やりなさいという親がいた。」しかし、現代では、親は「楽しんでピアノを学びなさい。根を詰め過ぎずに練習しなさい。」という。「何かを達成したり、ハードワークしたりすることに期待を抱いていないのです。これは仕事や教育に対する倫理観が異なるということです。」と評論家は付け加える。あなたは、なぜ多くのコーチがハードワークや成功の大切さを説いてもプレイヤーをすれ違いになってしまうかがここからもわかるかもしれない。

 

チャレンジングではあるかもしれないが、今日の成功するコーチは現代のものの考え方を理解することでそれが可能になると言える。これは、コーチがもっとハードワークして、スマートに振る舞わなければいけないことを意味している。もはや、手を広げて不満を言ったり、「私たちの時代は、、」や「私が彼らの年齢の時には、、」などは言うべきではない。狙うべきターゲットは移動しているので、私たちが目標に合わせなければならないい。モウリーニョは、かつて「戦術的な側面より、心理的な側面の方が優先度が高い」と言っている。言い換えれば、もしあなたが、選手と関係なく、コミュニケーションも少ない繋がりだとしたら、トレーニングや戦術的なプレゼンは単なる時間の無駄になっている可能性もある。では、現代のプレイヤーをより細かくみて、人格的な特徴を追ってみよう。

高い自信:

あなたがコーチする選手たちはあなたの練習や意思決定に対して疑問を投げかけてくるかもしれません。ただ、それは敬意を欠いているわけではありません。彼らは、あなたのやり方に質問して、なぜこれらをやるのか知りたい場合があります。これは、有能な選手に対して影響力を及ぼすことができないコーチとなる危険があります。そして、ミスガイドを繰り返すことにより選手の悪い態度を助長してしまいます。

テクノロジーの知識:

現代の選手は、テキスト・音声・ビデオを使います。ツイッター・フェイスブックやインスタグラムは迅速に重要な情報をキャッチします。例えば、サマーキャンプのプログラムやルールブックなどは、今日では配布を待つまでも無く、すぐに手に入り読む事が出来ます。コーチとしては、テクノロジーをどうコーチングに統合していくかは重要でしょう。

独立思想的:

同じ方法でチーム全員を鼓舞するやり方はもう過ぎ去っている。プレイヤーは、モチベーションと自分のするべきことに対して、グループ的な考えではなく、より個別のアプローチを必要としている。これは、自分が望むような関与できていない選手に対して、チームの精神を一律で押し付けるようなことは危険であることを示唆している。

愛や環境に対しての多様性:

退屈な練習は、コーチが対処しなければならない一番のパフォーマンス低下の原因です。今では、集中力を単に要求するのではなく、選手の心を刺激するのはコーチの役割となっています。マンチェスターユナイテッドの選手は、プレシーズンでのファンハールの一週間繰返しのトレーニングに対して疲弊しているというニュースを出したりしていた。

迅速な結果要求:

今日の選手は、「クイックフィックス(迅速な修正)」の社会的な魅力を反映している。もし、彼らはハードワークをしていれば、賞賛されたいし、何より結果が早く欲しい。現代プレイヤーの忍耐レベルは、コーチが採用している時間軸とマッチせずに、練習場で幻滅されてしまう可能性もあるということである。

 

Wenger

 

多数の変化があるが、良い情報としては、コーチは大いなる潜在的な可能性を持つ世代の中にいるということです。ブルース・タルガンは、今の若い世代はかつてないほど高いレベルでの成功する可能性を秘めていると述べる。「彼らは歴史上もっとも高いレベルを維持しながら、高いパフォーマンスも兼ね備えている。例えば、私たちはロナウドやメッシのようにかつてないほど高い結果をずっと維持しているプレイヤーを目撃している。同時に、若い世代もこれまでより、もっとアスリートしてまたは技術的に有能である。現代のプレイヤーの才能や能力に疑いの余地はない。問題はそれをどうやって最大限引き出すかである。彼らがまるで存在しないかのように振る舞うよりも、現代プレイヤーの特徴を理解して、直接対話していく方がより良いのは疑いようもないだろう。私たちのコーチング哲学には以下のような項目が含まれている。

定期的なフィードバック:

私たちは、より多くの選手との個別のミーティングの機会を持たなければならない。コーチからの話ではなく、コーチと選手間での対話である。今日の選手は、一般的な「よくやっている」「それを続けよう」といった言葉には反応しない。彼らは、定期的で個別のフィードバックを求めているので、コーチはそれを開始して欲しい。

個別のプログラム:

今日の選手は、特定の指示なしに改善することはない。彼らは、弱点を克服して上達し、より良くなるトレーニングを切望している。コーチは、ポジション特製のトレーニングを施し、ゲームのどのシチュエーションに通じて、どういった戦術的な意図があるかを明確に迅速に示すなどの工夫と共有が必要になっている。

楽しさ:

コーチは、選手たちが毎日練習して、チームのために懸命になるように仕向ける必要がある。全てのセッションでは、集中力や疲労が出るとコーチが選手を鼓舞して、熱狂的で、高い負荷でかつボールを含めたトレーニングの必要がある。

意味のある関係性:

チームはこれまでの年功序列やヒエラルキーのある組織から、よりフラットな関係の組織に変化しなければならない。マネジメントのラインを少なくすることで、障壁が発生することを防いでいく。コーチングスタッフ同士でも、フラットで迅速な効果的なコミュニケーションができることで、強い関係性を築くことができる。

 

10年前のコーチにとってのチャレンジが、各方面とのコミュニケーションだとしたら、現代のコーチにとってのチャレンジは、「選手」とのコミュニケーションになるだろう。叱咤はもはや効果的ではなく、ロッカールームを統治することもできない。だからこそ、適応がコーチにとっての課題となる。私たちは、試合に適応すればよいのではなく、まずは選手としての前に、「人」として適応しなければならない。最も大事なこととしては、選手やスタッフとの関係性を無視して、結果を最大限に引き出せないということである。逆に、一旦、選手からの信頼がもらえれば、日々のトレーニングやハードワークといった部分でも多くを期待できるし、選手のライフスタイルにも影響を与える事が出来るだろう。つまり、成功の秘訣を少しお伝えすれば、チームとしての戦術を作り上げる前に、オフザピッチの仕事の質も上げていくことも意識することである。(了)

 

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Tags: 全年齢対象  コーチングアドバイス  
By: Admin
Posted: 2015年12月20日 13:56

Reference: SUCCESSFULLY COACHING TODAY’S PLAYER

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