ミロスラフ・クローゼ:最後のpoacher(純粋な点取り屋)か?

普通であれば、ワールドカップでのゴール記録が塗り替えられたとなれば、そのストライカーはニュースのトップになるだろう。しかし、クローゼの16ゴール目は、ドイツがブラジルに7-1という歴史的な大勝利と重なったため、ニュースの副題になってしまった。

大記録を保持していたロナウドは、自身の記録が塗り替えられる瞬間をスタジアムで観ていた。ロナウドの方が、オールラウンダーなサッカー選手としてはるかに優れていたことは間違いないが、歴史上、クローゼほど純然たる点取り屋としての能力を持つ選手はほとんどいないだろう。クローゼの記録更新に対して、彼のような、ただのシンプルな点取り屋がこのような栄誉を与えられるべきではないという俗物的な意見もあったが、これこそがクローゼを表す要点である。彼は、ゴールに絡まないプレーは何もしない。組立ての貢献は平均的であるし、特別スピードに優れているわけでないし、身長が高いわけでもない。彼は、ただシンプルに素晴らしいポジショニングを取って、落ち着いてゴールするだけである。

16ゴールのポジショニングは驚くほどゴールに近い場所からであり、特にその多くはワンタッチゴールであり、ロナウドのようにドリブルをしてゴールを決めるようなことはほとんどない。

ゴールを見ても、そのフィニッシュがどれほどシンプルかは明らかだろう。それらは、巧妙なシュートや角度のないところからのシュートなどは見られず、ただシンプルにそして論理的に正しいポジショニングを取ってシュートをしている。

 

現代サッカーにおいて、純粋な点取り屋の減少がしばらく続くことは明らかである。古典的な9番(ストライカー)は依然として存在するが、それらは、ハビ・エルナンデスのようなスピードがあるか、もしくは、マリオ・ゴメスような高く、強い選手だろう。

奇妙なことだが、クローゼの代表での活躍にも関わらず、彼のクラブシーンでのプレーは、トップレベルではここ何シーズンも苦悩している。彼は、バイエルンでは4シーズンで24ゴールを叩き出した後に、カイザースラウテルン、ブレーメン、ラツィオと中堅クラブを流れ歩いた。

クローゼの代表での実質的な後継者、そしてゴール記録の面でもおそらく後継者となるだろう、トーマス・ミュラーでさえ、明らかによりオールラウンダーな選手であり、複数のポジションが出来て、そして中盤の位置での組み立てでもより貢献度が高い。

クローゼは自分の時代が終焉を迎える中で、異例の存在であるようにみえる。汎用性の高いオールラウンダーのサッカー選手が増えている中で、クローゼは基本的に一つのことだけに特化したサッカー選手として、今後の数十年のなかで例外的な存在になっていくだろう。(了)

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Tags: ワールドカップ2014  レポート  
By: Admin
Posted: 2017年02月16日 23:06

Reference: Miroslav Klose: the last poacher?

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