W杯2014 チーム紹介:2 コートジボワール  ~個の輝きが躍進には必要~

2012年にコートジボワールが代表監督にサブリ・ラムシ氏を任命したことの違和感は現在もまだ消え去っていない。

元フランス代表選手のラムシ監督はコートジボワールには一切関わりがなく(このこと自体はアフリカのサッカー大国では不可解なことではない・・。)また監督経験も皆無だった。

他のサッカー大国では監督経験も無い外国人に代表チームを任せるということはまず想像できないことだろう。

 

またラムシ監督のマネージングスタイルもいまだ不明瞭なままである。昨年のアフリカネーションズカップではグループステージ突破も危うく、なんとか試合終了間際のゴールが重なり準々決勝に駒を進めることができたが、そこでナイジェリアにあえなく敗れてしまった。監督が4-3-3のフォーメーションを採用しMFヤヤ・トゥーレに前線へ突破を試みさせる自由を与えたのはクリアだったが、同時にチームとしては一体感を持っていないことが露呈していた。

 

コートジボワールの黄金世代といわれる現代表チームにとって今回のワールドカップで成果をだすことこそが最高峰の舞台で何かを達成する最後のチャンスと言えるだろう。しかしアフリカネーションズカップ敗退に続けて、今回グループステージの突破すらかなわなければそれは大きな失望にかわってしまう。ドログバに3年前ほどの輝きは宿っていないものの他の選手はそれぞれ各所属クラブでよいシーズンを過ごした。グループステージの抽選結果も悪くないものといえる。破壊力のある速攻をしかけられるコートジボワール代表チームは対戦相手に脅威を与えることができるだろう。

 

チームを牽引する前線の選手たち

ここ数年のコートジボワール代表のゲームプランは比較的わかりやすい。攻撃は両サイドの俊足ウイングと中央のストライカー、ディディエ・ドログバを中心に組み立てられてきた。現在もこの状況からの変化は少ない。年齢的に最後のワールドカップとなるドログバのかわりにより相手守備陣の間へ精力的に顔を出せるウィルフリード・ボニーを選ぶほうが良いとされることもあるが、ドログバこそがキャプテンでありチームの精神的支柱であるためその座は揺るぎないだろう。

36歳という年齢もあり、ドログバの往年のスピードはみられなくなり、どちらかというとターゲット的なFWの役割を担っている。ただ誰がサイドに入りクロスをあげる役目を担うのかはまだはっきりしていない。

なお、ドログバの連係プレーに入る能力は近年より高くなったとも言われており、ラストパス以前の段階でも積極的にプレーに参加するようになっている。

 

〈予想されるコートジボワール先発メンバー〉

両サイドにはプレミアリーグでプレー経験のある相手チームへの大きな脅威となる能力を持つ2人が並ぶだろう(ともにプレミアリーグでこそ思うような活躍ができなかったものの)。この両ウイングはまたドログバを追い越してより高い位置でプレーすることもチーム内で許されている。特にジェルビーニョは現在の所属クラブASローマでリール時代にも彼の監督だったルディー・ガルシアのもと素晴らしいパフォーマンスを見せており、賢い走りやトリッキーなドリブルに加え、ゴールチャンスも多く創出できる。まだ最終局面での決定的な仕事には不安のあるものの精力的なプレーは確実にみられるだろう。

逆サイドのカルーは大きなチャンスを自身で創出することは少ないものの、たびたびペナルティーエリア内に顔を出してはゴールをあげている。

 

中盤の選手達

2010年のワールドカップで監督を務めたスベン・ゴラン・エリクソンの失敗の一つはヤヤ・トゥーレをオフェンシブでは無くディフェンシブなMFとして起用したことだろう。もちろんこのポジションはその後トゥーレ自身がバルセロナで慣れ親しむ位置となるのだが、代表チームでは相手の攻撃を摘む役目をする中盤の選手は他にも多くいた。このためトゥーレには彼がヨーロッパデビューしたころのようなもっと前のポジションが与えられるべきだったはずである。

そのころに比べ特にアフリカネーションズカップ以後は、コートジボワール代表はトゥーレがより高い位置でプレーしより破壊力のあるチームになったように感じる。そしてさらに今シーズンマンチェスターシティで圧倒的な得点力を見せつけた彼のポジションと役割に疑問の余地は無いだろう。3人の中盤選手のうちトゥーレが最も前でプレーする選手であるが、それでもウィングの選手が中盤まで戻ってくることが無いので4-2-3-1というよりも4-3-3フォーメーションといえる。

中盤の底の位置にはボールには多く触れなくとも豊富な運動量と熱いタックルが持ち味のシェイク・ティオテが入ることだろう。そして誰が最後の1枚、3人目のMFとなるのか。ディディエ・ゾコーラ、イスマエル・ディオマンデ、それにセレイ・ディエといった選手は全員が良いレベルの守備的MFであり、同時に攻撃はトゥーレに任せることになる。マックス・グラデルは高速ドリブルをしかけることができ何度か中盤トリオのなかで起用されているものの、トゥーレと入れ替えて使われる選手でありペアを組むタイプではないと言える。

 

ディフェンス陣+GK

コートジボワールの両サイドバックは積極的に前線に攻撃をしかけるタイプだ。特に右のセルジュ・オリエは逆サイドのアルトゥール・ボカに比べてよりいいクロスボールをあげることもできる。また守備的MFの2人がカバーに入ることで両サイドバックが同時に上がることも可能にしている。ただ両選手とも大柄と言えず、(特にボカは小さい)深いクロスに対して弱さをみせるのではないだろうか。

守備陣の中央に目を移すとセンターバックの2人、コロ・トーレとソル・バンバはアフリカネーションズカップの弱小国相手でもそうであったように、ピッチ上で自信の無さを露呈することがあり不安視されている。両選手とも単純なミスをしがちであり、またかつては速かったトゥーレも現在はスピードにも欠けている。ベテランゴールキーパーのブバカル・バリーは安定した選手と言えるが、どちらかというとシュートセーブよりも安定したボールの配球に定評がある。

 

まとめ

コートジボワール代表は昨今のプレースタイルから変更はしてこないだろう。しかし今回チームを任されるラムシ監督は現在までのところチームのまとめ役としても戦術家としても一線級といえるものを見せていない。またセンターバックの2人を見る限り無失点の試合を重ねることも難しいといえるはずだ。

それでもチームは圧倒的な個の力を擁しており、しかもドログバに頼りきった状況から脱却している。ジェルビーニョとヤヤ・トゥーレという低い位置からでも相手陣地へ深く切り込める選手がチームを牽引する。もし守備から攻撃の切り替えが素早く行え、彼らに早くボールを送ることが出来れば相手を崩すことが出来るだろう。

 

クイックガイド

監督:サブリ・ラムシ         

経験に大きく欠けており、専門分野も不明である。

システム:4-3-3               

ヤヤ・トゥーレには中盤からの突破が許されている

キープレーヤー:              

ジェルビーニョペナルティーエリアの角の位置で彼がボールを持ったときに最も効果的な状況判断ができるかどうかが鍵となるだろう。

ストロングポイント:               

ジェルビーニョとヤヤ・トゥーレの突破力

弱点

守備力、特にセンターバックの2人のスピードの無さと、サイドバックの高さへの懸念

キーとなる戦術ポイント:           

チームとしてジェルビーニョとヤヤ・トゥーレにボールを早く供給できるだろうか。

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Tags: ワールドカップ2014  
By: Admin
Posted: 2014年06月14日 05:55

Reference: Ivory Coast: need individual magic

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