攻撃の原則:「幅」と「深み」

攻撃の原則シリーズ、今回は同時に幅と深みというトピックを取り上げよう。 ともにピッチを広く使うというものだが、それぞれの要素にはどんな効果があるのだろうか。

サッカーの攻撃においてピッチの幅を有効利用することはとても重要で、その効果は多岐にわたる。例えば幅のある中での攻撃は、選手が密集したエリアからボールを動かしやすく、またチームの形が崩れている場合はそれを立て直すことができる。そして逆サイドに展開し攻撃の起点のポイントをかえることも可能となる。しかし最も重要なポイントとは、「幅がある=横に広がっている状況」では相手守備陣もそれに対応するために選手間の距離を広げないといけなくなる。これにより、「縦方向のパス=つまりペネトレーションのパス」を出すチャンスが生まれてくるということだろう。

もし攻撃側の選手がタッチライン際まで広がってポジションをとっていた場合、守備陣もある程度広がることを余儀なくされる。これにより、前線のターゲットとなる選手へのパスコースが出来始めるのである。図114では右MFがしっかりと広がることで、攻撃側DFの選手が直接FWの選手へパスを送ることが可能になっていることが示されている。

 

 

また下の図115、図116では幅を持った状況でのペネトレーションパスのチャンスが生まれる一例を示した。

図115でボールを持っている攻撃側DFのD4、そしてM4はサイドライン際まで広がり、幅を意識している。しかし守備側の1-3選手も守備の原則どおりお互いの距離を縮めコンパクトに保つことで前線へのパスコースは閉ざされている。

しかし図116では、同様の状況からD4がM4にパスを出したため、守備側選手2はプレッシャーをかけるためサイドライン際に寄らざるをえず、そこをM4が素早くD4にリターンパスを出すことで、D4の前線にパスコースが生まれている。

 

深み

攻撃側のチームが相手守備陣の突破(ペネトレーション)を果たすには、少なくとも1人、出来たらそれ以上の人数で「縦にプレイエリアを広げる=深みを作る」必要がある。言い換えると攻撃側FWは常に相手DFラインを押し下げるようにプレーするべきなのだ。この縦への広がりにより、もちろんボールがより前に到達しやすくなるだけでなく、中盤のスペースも広がりペネトレーションはよりしやすくなる。

特に育成年代のサッカーチームではスイーパーのように他の選手よりも下がった位置でプレーする選手を置くチームもある。こういった最終DFは相手はストッパーのチームメイトより実際は10ヤード(9m)ほども下がっている場合もある。それでも多くのチームはその最終DFの位置取りに気がつかず、それを利用することが出来ないでいる。

FW選手はいつもこの最終DFの位置を考慮しながらプレーするべきで、できるだけ相手DFを押し下げ、さらなる深みを作ろうとしなければならない。

図112では守備側最終DFがカバーのために大きく下がっている状況にも関わらず、FWの選手がしっかりと深みを作り出せないでいる状況である。そしてこの狭いスペースの中でFWの選手は自陣ゴール方向に動いてボールを中盤の位置で受けようとすることでその一連の動きもより効果の薄いものとなってしまっている。

図113では対照的にFWの選手が最終DFの位置まで上がることで深みがある状態である。この状況でボールを受けられれば相手の中盤は既に突破できたも同然ということがわかるだろう。

(了)

 

攻撃の原則シリーズ:

はじめに

Support サポート

Depth 深み

Width 

Mobility 機動性=運動量とその質

Creativity and Deception 創造性と意外性

Penetration 侵入・突破

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Tags: 全年齢対象  コーチング用ヒント  
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Posted: 2013年07月26日 19:02

Reference: Attacking Principle: Width

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