守備の原則2と3  Principles of Defence 

どの国の指導者資格の講習会でも話に上がるトピック、「守備の原則」、第2回目の今回は2項目を一度に紹介たい。堅いディフェンスのための大事な要素を再確認しよう。

 

リカバリー(ポジションの回復


チームがボールを失った瞬間に一人は「即座のプレッシャー」をかける、そして同時に他の全選手が「守備的なポジションの回復(リカバリー)」のために動く。ボールと相手選手それぞれに対してゴールサイド(自陣ゴール側)にポジションを取ることで、チーム全体がゴールとボールの間に入り、さらにボール周辺とゴール側のエリアに人数をかけることができる。

こういったリカバリーランの狙いは次の3点といえる。

 

1:プレッシャーをボールにかける

2:相手選手をゴールサイドからマークする

3:ボールに対してゴールサイドに入り、チームメイトの背後のスペースをカバーする

 

図135でリカバリーランを見てみよう。相手選手2番がボールを持っており、F1選手がプレッシャーをかけ、M3の選手がボールに対してゴールサイドに入りながらF1をカバーしている。M1は相手選手1番を追いかけ、M5はやはりボールのゴールサイドから中盤のスペースをカバーしている。なお、相手選手4番は逆サイドの外のスペースへ走りこんでいるが、M5は近くまでついていくことはしていない。ピッチ方向へリトリートしながらそれでも4番の選手の動きを気にしている。

 

この図で見られるようにフォワードの選手も含め全ての選手に守備とそのためのリカバリーが求められる。もちろん前線の選手にピッチ全体を守備のために駆け回れとは要求できないので、図の135でも相手選手2番が前へパスを出してしまった後は、F1選手は守備の面で貢献できることはないだろう。F1にとっては2番の選手へプレッシャーをかけボールを奪ったりミスパスを誘発させることで、守備の役目を果たした、といえるのである。

なお、監督によってはF1の選手に相手を更に追い込むよう求める場合もあれば、逆にバックの選手に中盤での攻撃参加を促す場合もある。それでも多くのチームにおいてF1やF2は予め決められているエリアへボールを追い込む役割をまず担っているはずである。

 

 

 

カバー

守備における「カバー」とは主にプレッシャーをかけている選手への背後からのサポートを意味する。もしプレッシャーをかけている選手がかわされてしまっても、カバーに入っている選手がすぐに次のプレッシャーをかけることが出来る。つまりカバーをすることで相手チームの侵入に対してより安全に対応でき、また一度かわされた選手も戻ってもう一度守備のユニットに加わることが出来る。

カバーにおいて最も重要なのは適切な距離と角度、と言えるであろう。もしプレッシャーをかけている選手が抜かれてもすぐに対応できるほどの近さにいることは重要だが、近すぎると、2人ともスピードのある相手選手に一度にかわされる事も起きうる。図136ではボールとゴールの位置を基本に、カバーに回った選手のポジショニングを示している。D2選手はD1選手に左側、つまりサイドライン側へ相手選手の進路を限定し適切なタイミングで奪いに行かせようと声をかける。これによりD1はD2がカバーしていることを感じながら積極的にボールを奪いにいくことが出来る。

 

ボール周辺のエリアでは守備のチームが数的優位の状況を作っているべきであり、カバーの選手はマークせずに余っているべきである。しかし実際には多くの2対2や3対3といった局面でカバーの選手がマークの役目も担わないといけないことがある。図137ではM2選手がM1へのカバーを行いながら相手選手2番をマークしている状況を再現している。M2のポジションからはボールとマークする相手の両方を視野に入れることが出来、さらにM2の優れたポジショニングは同時に相手9番へのパスをも阻んでいる。


もし相手1番が2番へパスを出した場合、M2が即座のプレッシャーをかけ、M1が下がってM2のカバーに入る。このような連動によってプレッシャーは連続して素早くかけられ、同時に1人が相手選手間を行ったりきたりする状況を無くすことが出来る。守備の役割とは変動するものでありM2はカバーからプレッシャー、M1はプレッシャーからカバーへと役割を交代している。

次回:「バランス」・「コンパクトネス」に続く

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Tags: 全年齢対象  コーチングコース  実践的アドバイス  
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Posted: 2013年03月15日 23:43

Reference: Defending Principle: Recovery

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