フィジカル能力はどれくらい重要なのか?

コーチや選手で、フィジカルがサッカーにおいて重要ではないと主張する人はあまりいないだろう。ゲーム中の疲労は、乏しいパフォーマンスを誘発し、色んな問題へとつながっていく。

スプリントスピードの遅さ、テクニックの欠如、乏しい状況判断や無気力さは、フィジカルコンディションが欠けている選手に現れる兆候でもある。では、どのようなタイプのフィジカルが重要になるのか?広い意味では、ひとつはスプリントの能力や短時間での強度の高い運動能力だろう。もうひとつが、90分間絶え間なく動くことができる能力、それは有酸素運動の能力であると言えるだろう。では、これらのフィジカル能力が試合の中で、どのように選手の能力として影響してくるのだろう?どちらかが、より重要度が高いといったものがあるのだろうか?これに関して、クロアチアとセルビアの専門家たちが、新たに研究を発表した。結論として、彼らは、試合の攻撃・守備の両面で、有酸素・無酸素どちらのフィジカル能力も必要不可欠であるとした。

研究者たちは、U-14のエリート男子選手を対象に実験を行った。彼らは、少なくとも4年間はサッカー経験があり、チームにも属している。実験は、選手の技術的・戦術的能力と有酸素・無酸素運動能力を比較することであった。

無酸素運動の能力は、1本のスプリント能力、複数回のスプリント能力、300mのランニングを含む運動の組み合わせがテストとして使用された。有酸素運動の能力は、Hoff-test(※ドリブルをしながら、290mをランニングやジャンプ・後方走りなどを組み合わせて行う有酸素トレーニング)やシャトルランから算定された。

選手の技術的・戦術的サッカースキルに関しては、国内および国際的なシニアコーチや選手を含めたサッカーの専門家によって評価された。ゲーム中に、専門家たちは攻守の中で、選手たちがどのように適切に動き出し、ポジショニングをとっているかを判断した。また、ポジショニングと同様に、パス、ボールタッチ、シュート、プレス、アシストやシュートストップなどの能力も、「オフ・ザ・ボール」や様々な能力を含めて判断した。

結果は、試合のディフェンス面において、選手のパフォーマンスの37%が有酸素運動能力、同じくもう37%が無酸素運動能力が寄与していた。残りの約25%(100-37%-37%)は他の要因であった。攻撃面においては、32%が無酸素運動能力、26%が有酸素運動能力であった。結論としては、無酸素、有酸素のどちらのフィジカルも攻守両面において非常に重要であるということであった。

試合を通じて、選手はジョギングのような低強度の運動とスプリントダッシュなどの高強度の運動を繰り返し行う。ユース年代の選手では、1試合に5mile(※8km)程度の運動量が期待されており、それは1000回以上のスプリント、ストップ、スタート、方向転換やジャンプを行うことになる。ここからも、無酸素運動能力と有酸素運動能力が、プレーヤーの成功において、どちらも等しく重要であるということに驚きはないだろう。

サッカーでの求めらる身体的な能力は、非常に複雑である。エネルギー消費の面では、有酸素、無酸素がちょうどミックスしたスポーツであると、多くの専門家は考えている。この理由からも、専門家たちはフィジカル面で多面的である必要があると強調している。選手たちは、長時間の連続した動きを繰り返す必要がある。そして、また短い回復時間で複数の強度の高い運動やスプリントダッシュを行う必要がある。どちらか一方だけ突出していても、それは最大のパフォーマンスを引き出すことにはならない。したがって、研究者たちは、フィットネス・テクニック(スキル)・戦術理解の間には強い相互作用があることを強調しており、コーチたちには全てのオールラウンドなトレーニングを実施してほしいとしている。このようなトレーニングが、無酸素運動と有酸素運動の能力の両面を活性化するために役立つ。

さて、最初の質問に戻ると、「フィジカル能力はどれくらい重要なのか?」であった。この研究によると、答えは、「極めて重要である」だろう。有酸素・無酸素の運動能力は包括的なサッカーのパフォーマンスにおいて大きな貢献をする。それゆえに、フィットネスのトレーニングを行うことは、有望な選手を育むのに非常に重要になるだろう。(了)

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Tags: コーチングアドバイス  リサーチ  データ  
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Posted: 2017年02月16日 13:51

Reference: How Important is Fitness?

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