モウリーニョ、10の言葉

一流監督は彼ら独自の視点でものを見ていますよね。今回のコラムでは「よい守備」とは、「モチベーション」に関してなどモウリーニョの考えが詰まった10の言葉を紹介します。

 

 

1.   チームの中でのスターはチームだけだ
 

「私にとって一番の関心はチームにあり、選手達の組織的な動きにある。私には個々の選手の身体能力、精神力そして戦術理解力の各要素の重要性の差というのは全くわからない。しかしサッカーはそういった能力を全て要求している。結局私にとってはこれらは切り離すことの出来ないものなのだ。身体的な力は全てではなく、サッカーではそれ以上のこと求められる。もしかすると他の要素と比べれば実は身体能力とは一番小さな要素なのかもしれない。どれだけ身体能力があっても、しっかりした組織と様々なプレーモデルに対応できる個の才能が無い限り、各選手の弱点はすぐに表に出てしまう。」

                  

 

2.   戦術的なトレーニングは初日から

 

サッカーにおいて一番大事なことはチームとしてのプレースタイル(プレーモデル)を持つことである。それがグループとしての動きを形作る。だからこそチーム戦術には初日から取り組む。これこそレアル・マドリードが必要としていることなのだ。

 

 

3.   フィジカルサーキット無し、ジムトレーニング無し、グランド周りのランニング無し  

 

 「ピアニストが巨匠の作品に取りかかる前に、ピアノの周りを走り回っている姿など見た事が無いだろう?同様に私のメソッドでも選手にグランドをぐるぐる走らせることは無い。」

またモウリーニョと彼の右腕とも言える、フィジカルトレーナーのルイ・ファリアにとってはフィットネスジムとは怪我のリハビリのための施設でしかない。
 

 

4.   ボールは絶対必要だ。練習時間は最長90分


 「私のトレーニングは決して長くはない。その内容はダイナミックであり、かつとても効率が良いものだ。私の選手たちにはボールコントロールをすることを特に好きになって欲しい。そしてボールを相手から取った後に何をするべきかを学んで欲しい。

3時間ものトレーニングなど、選手を飽きさせるだけだ。そんなことをしていたら、すぐに選手はボールが好きでなくなってしまう。」

 

 

5.   シーズン中にコンディションのピークの時期は無い   

 

「週ごとのトレーニングサイクルは純粋に次の試合をフォーカスしデザインしている。私はシーズンのある1部分、例えば12月や5月などにピークを迎えるようなプラン作りはしないし、強豪チームとの試合のために特別に調子を上げるようなこともない。」

 

 

6.  試合の重要さではなく、普段のアプローチがモチベーションを決める
 

モウリーニョがFCポルトを指揮していた時代、国内で全てを勝ち獲ってしまい、選手のモチベーションは国外タイトルへの挑戦以外では上がらないのではないかと危惧されたことがあった。そんな時期を乗り越えたモウリーニョはこう語った。

「4-3-3フォーメーションではピッチ上のスペースは自然に埋められている。このフォーメーションでは選手達にはある程度のクレバーさしか要求されていない、要は多くを考える必要が無いのである。一方4-4-2だとスペースの空き方にムラが有り、最初からフリーという選手は現れない、そのため選手たちにはよりサッカーを考えることが要求される。

日常的に戦術的規律を要求することこそが選手のモチベーションとなる、試合の大小など関係ない。」

 

 

7.  相手チームの分析は突き詰めて行う、しかしチームの戦い方は相手によって変わるものではない。
 

「相手チームを分析し、試合当日の出方の推測はする。そしてそれに基づいて、特定の選手を相手の配置もする。しかしそのような調整はポジション配置に関わるところまでである。相手の分析結果が我々のプレーモデルに影響を与えることはないし、システムを変えることも無い。」

 

 

8.  クリエイティブな選手たちは真っ先に守備に回る
 

「私にとってのよい守備とは、できるだけ少ない時間チームが守備に回ることである。そしてできるだけ長い時間、我々の最もクリエイティブな選手がボールを持っていることでもある。主導権を握る時間が長ければ長いほど、守りの動きをする必要性は減る。

ただチームが守備に回らないといけなくなったときには、全選手がそれぞれの役割を果たす必要がある。クリエイティブな攻撃的選手は守備の義務から外すべきだ、などという人がいるが、その人たちはサッカーを何もわかっていない。選手全員、ボールを持っているとき、持っていない時のそれぞれの時間帯に何をするべきかを理解しなければならない。

クリスチアーノ・ロナウドよ、君にもこれはあてはまる。」


 

9.  試合中から「回復」が始まる

「私のチームでは試合翌日は選手にオフを与えたいと思っている。これは身体的な面から見るとベストな判断とは言えないかもしれない。しかし重要な精神的回復を促すことができる。それでも、過密なスケジュールで試合が組まれる現状では、実際にはなかなか試合翌日に休みを与えられない。

このため、変に思うかもしれないが選手達は試合中から回復をスタートさせなくてはならない。もし私の思うとおりにチームがパフォーマンス出来れば試合の主導権を完全に握ることができ、試合中に精神的な回復を始められることだろう。試合終了時、精神的に疲れきっていることなく、もう1試合プレーしたいぐらいの気持ちになっているはずである。」

 

 

10.育成年代からトップチームまで全年代が同じメソッドを採用するべきだ。  
 

「クラブが採用しているトレーニングメソッドの哲学はトップから下部組織まで全てのチームで浸透していなければならない。FCポルト時代、私は定期的にユース統括者やリザーブチーム責任者とミーティングを行い、それぞれのチームがどのようにプレーするべきかを説明していた。このようにすることで、クラブ内で選手が上のカテゴリーに入ってもどのようなプレーが求められているか戸惑う心配が無い。すでにその理解は選手の中に馴染んでいるのだ。」

 

(了)

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Tags: 戦術的ピリオダイゼーション理論  モウリーニョ  
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Posted: 2012年10月24日 11:54

Reference: Mourinho's 10 Commandments

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