エバートン戦で見せたファーガソン監督の4-2-1-3システム ~パート2~

この日の夜、メインとなる話題はエバートンの素晴らしいパフォーマンスにあった。しかし、長期的な視点から、より重要となった改革は、マンチェスターユナイテッドがピッチに送り出したプレーヤーとそのフォーメーションであった。

~パート1より続き~http://soccercoaching.jp/read.php?id=1345649936

 

このシステムの最も興味深いものはファンペルシーがウェルベックと交代してからであった。それは、前線の3人に柔軟性が見られたからであった。まず最初に、ルーニーが左に位置しており、次にファンペルシーがサイドに移り、それからナニも左に移った。ファンペルシーは終盤には右サイドにも位置していたし、ルーニーも代わる代わる右サイドに位置していた。短い時間で、ナニ(交代して入ったアシュリー・ヤングも同様)は例外的に、センターにポジションを取ることは無かったが、ファンペルシーが投入された後、前線の3人が3つのポジションをプレーできる状態であり、前線の3人は相互にポジションチェンジが出来ていた。しかし、香川に関してはトップ下からポジションを動かしていなかった。

現在のところ、このシステムは完全に機能するまでもっと時間をかける必要があるが、試合結果が示すよりも今後の兆候は明るいものであった。中盤でのユナイテッドのボール保持は非常に良く、選手同士のパス回しは早く、また、2人のエバートンのセントラルMFにマークされていたにも関わらず、多くの場面で香川もプレーに絡んでいた。そして、ウェルベックはエバートンの素晴らしいDFに阻まれてしまったが、サイドの位置からDFの背後へ鋭い飛び出しをして、少なくとも2度の1対1の場面を演出した。

このシステムは、多くの場面で、ルーニーの乏しいパフォーマンスのためにボックスエリアに入るところで機能しなくなってしまった。この日のルーニーは、100%の状態ではなく、最前線のストライカーとして要求されるものに応えていなかった。香川のパフォーマンスに関しては好意的なものであったが、しばしば、香川が顔を上げたときにルーニーがパスを受けるポジションに位置をとれていなことがあった。度々、ルーニーはボールを引き出すためにプレーエリアを下げることはあったが、しかし、シュートポジションに動き直すことはほとんど無かった。そのため、ユナイテッドの攻撃はエバートンのディフェンスラインの手前で終わってしまっていた。

 

 

そして、例えば、香川のパスとサンティ・カソルラ(※アーセナルのNo10タイプの新加入の選手で、同じく開幕戦で4-2-1-3システムのトップ下でデビュー)のパスを比較すると、香川のパスは前線の危険なエリアへのパスが圧倒的に少なかった。これは、香川の乏しいパフォーマンスを反映したものであると考える必要はないが、同様にルーニーのラストパスの受ける位置への動き出しの少なさも影響していると言える。

 

 

ユナイテッドのここでの問題は、バックラインだけでなく中盤も含めた身体的な力強さの欠如であろう。3人のFWと連携して創造的なNo10タイプのプレーヤを並べるシステムでは、2人のセントラルMFに多くのことが求められる。クレバリーはそれほど運動量が多くはない。しかし、彼はファイタータイプの選手というよりも、創造的な選手である。一方で、スコールズのディフェンス、タックルは常に彼のウィークポイントになっており、特にこの試合でも前半の早々にイエローカードを受けてしまっている。キャリックがMFに戻ることで幾分改善が見込めるが、しかし解決策とまではいかないだろう。

今シーズンのユナイテッドは、ボール奪取する能力が乏しいため、それを補うためにボールポゼッションに焦点を当てなければならないだろう。しかし、この日のエバートンがうまくやったように、今シーズンいくつかのチームはユナイテッドのフィジカルの弱点を突いてくる戦い方をしてくるかもしれない。(了)

 

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Tags: データ  リサーチ  
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Posted: 2017年02月16日 23:16

Reference: Ferguson showcases a 4-2-1-3 against Everton

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