選手交代:疲れが理由か、戦術変更が理由か? ~パート2~

2008年2月10日、シエナとのスコアレスでの試合、ACミランのアンチェロッティ(※当時ACミラン監督)は、アルベルト・パロスキをピッチへと送り出した。15秒後、最初のタッチでゴールを奪い、パロスキはそのゲームでの唯一の得点を記録した。

~パート1より続き~

1つめには、交代された(ベンチに下がった)選手は運動量の部分で低下は見られなかった。ベンチに下がった選手の前半と後半の運動量を比較した場合、同じだけの運動量を示していた。これは、多くの交代が、疲労した選手をベンチに下げるよりも、主に戦術的な理由をもとに交代がおこなわれていることを示している。

2つめは、FWの交代選手は、ベンチに下がった選手よりも運動量では下回っていることである。実際、交替選手は、ピッチに入った最初の10分間でより低い運動量となっている。研究者は、これは交替選手がいわゆる「ゲームに入れていない」状態にあることが起因するものではないかと言及している。これはまた、リードを守ろうとするため交代など、試合の状況によりFWの役割が非常に限定的なものになっている可能性もあるとしている。

3つめは、MFの交代選手の運動量は、際立って交代前の選手よりも高いということであった。彼らは、より大きいスペースをカバーし、走行距離、スプリントの量という面でも高い傾向があった。これは、MFの交替選手は、FWの交代選手よりもゲームに入りやすいということでもある。

これらの研究は、なぜ交代が行われるのか、そして、交代によりゲーム展開にどのような影響を与えるのかという洞察を与えてくれる。しかしながら、多くの研究と同じように、それはまたいくつかの疑問点も浮かび上がらせる。1つ目は、交替選手の運動量は、試合の状況により変わってくるものなのか?そして、交代したFWの選手は、もしチームが運動量の記録などを意識的にとっていれば高い運動量になるものなのか?2つめは、リードを守る際、チームはたびたびFWの選手をMFの選手に代えることがある。これは、交替選手もしくはピッチにいる選手の運動量の計測データに影響を与えるものなのか?最近では、これまでの結果から、FWの選手交代は、MFの交代と比較すると運動量などの身体的なチームへの貢献を求められていないということがわかっている。おそらく、これまでの情報を統括すると、FWの交替選手に必要なことは試合に投入された数分の間に、集中力や強靭さを発揮して結果に繋げることが強調されているのかもしれない。(了)

Reference:

Carling C, Espie V, LaGall F, Bloomfield J, Jullien H (2009) Work-rate of substitutes in elite soccer: A preliminary study. Journal of Science and Medicine in Sport, doi:10.1016/j.jsams.2009.02.012

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Tags: データ  リサーチ  コーチングアドバイス  
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Posted: 2017年02月16日 15:42

Reference: Substitutes: Combating Fatigue or a Strategic Change?

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