ミニゲームのコートの大きさにこだわっていますか?

どんなコーチだって普段からSSG(Small Sided Games=少人数制のゲーム形式練習)を練習に取り入れているはずだ。そしてもちろん...

もちろん、戦術理解力、技術力と同時にフィットネスレベル、つまり体力強化も図っていることだろう。ルールの設定やプレー人数の違いで数多くのSSGのバリエーションを作ることができるが、単純にピッチの大きさの設定も大変重要な要素となる。

最近発表された(訳注:記事の投稿された2010年12月2日現在)バスク州大学のある研究結果は、ピッチサイズの違いから「体力」、「テクニック」のそれぞれの分野の向上をより強調できることを示しいていた。

 

この研究では16歳の男子サッカー選手10人が5人vs 5人(+GK一人ずつ)を3つの大きさの異なるコートでプレーさせた。大コートはフルサイズの半面より一回り小さいほどの62x44m、そして中ピッチではフルコートの4分の1ほどである50x35m、小ピッチは23x23mだった。1試合8分間でコーチからの声かけは無しとし、各選手は心拍数測定器とGPS発信器を装着してプレーした。またタックル、ドリブル、パスなどの技術的な側面の解析を行うため、全てのゲームはビデオ撮影された。


まず運動強度、ピッチの大きさにより違いを示した。大ピッチでの計測結果は他より少し高い心拍数を示し、選手たちはプレー時間の50%を最大心拍数の90%で運動をしていた。小ピッチでの同様のプレー時間は41%のみであった。

そして大ピッチでは各選手は1000mの距離を移動しているのに対し、小ピッチでは、700mに留まっている。また選手たちは大ピッチで小ピッチに比べ、より多くのダッシュを行っていた。(6回vs1回)。

ここからより大きなピッチで行うSSGでは選手たちはより大きな運動量と運動強度を要求されることが明らかとなっている。

小さなピッチに比べて、より体内の循環系に高い負荷がかかり、このことが心肺機能強化を促している。
 


小ピッチにおける運動量が大ピッチより少なかったのは、インプレーの時間数と関係があるだろう。試合時間中はゴール直後、ファール、スローインなどにより、多くのプレー停止時間があり、大ピッチでは総時間の82%が「インプレー」だったのに対し、小ピッチでは実に68%にその割合が減っていた。

この差を言い換えると、大ピッチの「インプレー」時間は小ピッチよりも1分も長かったこととなる。研究員たちは、ボールがプレーされていない時、選手たちは一般的に動きを止める、そのため、心肺機能への負荷も下がるのであろう、と述べている。

 

一方で、小ピッチでのゲームではより技術力が要求されていた。ゲーム中、インターセプト、ボールコントロール、クリアー、リスタート、シュートの数は、それぞれが全て、大ピッチでの数を上回っており、例えば、インターセプトは小ピッチでは11回起こったのに対し、大ピッチでは6回だけである。よって小さなSSGではスキルを要求される回数がより多くなるということが明らかになっている。

 

この研究結果は、サッカーコーチたちがSSGのピッチサイズを変えることで、トレーニング効果を変えることが可能であることを明示している。エリアを大きくすれば、体力強化が強調され、一方小さなエリアにすることで、技術に焦点が置かれる。

また以前の調査(未訳 英語版はこちら)では、SSGの運動負荷は各ゲーム間のインターバルの違い、そして「声かけ」により影響を受けることが強調されている。

さらに技術力と戦術面の強化は2タッチルールなどの制限を加えることでより重点を置くこともできる。


結論として、この研究により、SSGそのものが大いに有効なトレーニングメニューだということが出来るだろう。SSGは体力強化にも技術力向上そして戦術理解の洗練にも利用することができる。重要なことは、コーチたちが、チームにとって必要なことのために、SSGに変化を持たせ、トレーニングを組み立てることである。(了)

 

Reference:

Casamichana D, Castellano J (2010) Time-motion, heart rate, perceptual and motor behavior demands in small-sided games: Effects of pitch size. Journal of Sports Sciences, DOI:10.1080/02640414.2010.521168

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Tags: 全年齢対象  データ  リサーチ  実践的アドバイス  
By:
Posted: 2012年05月12日 01:58

Reference: http://www.scienceofsocceronline.com/2010/12/pitch-size-fitness-and-technical.html

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